研究課題/領域番号 |
20390550
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
神田 清子 群馬大学, 医学部, 教授 (40134291)
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研究分担者 |
二渡 玉江 群馬大学, 医学部, 教授 (00143206)
武居 明美 群馬大学, 医学部, 助教 (70431715)
小幡 英章 群馬大学, 医学部, 講師 (20302482)
堤 荘一 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30323356)
瀬山 留加 群馬大学, 医学部, 助教 (10412991)
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キーワード | がん化学療法 / 末梢神経障害 / 大腸がん / FOLFOX療法 / 体験 / 質的研究 / 評価指標 |
研究概要 |
患者の神経障害の他覚的・自覚的な評価指標を明確にするために以下の3点を施行した。 1.末梢神経障害が日常生活に与える影響とその対処、およびしびれにより生じる感情へ与える影響に関する体験を明らかにするために、FOLFOX治療を6クール以上施行した患者25名を対象として面接調査を施行し、分析した。その結果、神経障害を表現する言葉は、「びりびり、びりつ」など電気が走る感じの言葉や、感覚が鈍い感じ、力が入らないなど31種類が表現された。しびれにより生じる日常生活への支障とその対処は、380コード、11サブカテゴリから日常生活への支障・しびれを緩和させる工夫の2カテゴリが形成された。このうち生活への支障は、家事の制限、細かい作業の制限、基本的ニーズの不満足、活動性や楽しみの縮小が多くなっていた。しびれにより生じる感情は178コード、14サブカテゴリが抽出され、しびれへの懸念、生活への支障により増強する憂慮、変化の少ない生活を送れる安堵感、しびれの懸念より大きい「がん」との共生の4カテゴリが形成された。さらに100mmのVASで評価した日常生活への支障の程度は0-89mに分布し、平均32.8mm、特に細かい作業のボタンかけ、文字をかくことに支障を感じていた。これらから身体面だけでなく、心理・生活面も含めたアセスメントを行うことの重要性が浮かびあがった。 2.末梢神経障害およびFOLFOX治療による末梢神経障害に関する国内外の文献からアセスメント指標を収集レ、研究に用いる指標を明らかにした。 3.FOLFOX治療を施行している患者21名の副作用症状の出現割合を記録から分析した。食欲不振100%、次いで倦怠感95.2%、末梢神経障害81.0%であり、末梢神経障害以外の症状との判別をどのようにするかの課題が提起され、評価指標に生かす方向で検討した。
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