研究課題/領域番号 |
20390554
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研究機関 | 青森県立保健大学 |
研究代表者 |
石鍋 圭子 青森県立保健大学, 健康科学部, 客員教授 (10151391)
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研究分担者 |
中村 今子 八戸短期大学, 看護学部, 教授 (60227957)
藤田 あけみ 公立大学法人青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (30347182)
佐々木 綾子 公立大学法人青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (90468108)
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キーワード | 脳血管障害患者 / 回復期リハビリテーション / ナラティブアプローチ / QOL |
研究概要 |
本研究は、「看護師が患者のナラティブの書き換えを支援することで回復期リハビリ過程への患者の意欲を高めれば、主観的な生活の質評価が変わる」という仮説の実証を目的とする。1)患者のQOLを高める看護支援としてのナラティブアプローチの有用性を検証する、2)脳血管障害患者に対するナラティブアプローチ前後のQOLの変化を明らかにする、3)患者のナラティブの書き換えに影響する要因を明らかにする、の3つの側面からの調査を3年間で実施する。平成21年度は研究2年目であり、(1)研究協力者へのフォローアップ研修の実施、(2)研究協力者および研究者によるナラティブアプローチの介入と介入前後のSEIQoL-DWの測定、(3)各事例のナラティブの書き換えと書き換えに影響する要因の分析を実施した。 結果、(1)のフォローアップ研修会を平成21年5月30日に東京都内で実施した。(2)のナラティブアプローチのみの介入は、平成20年度の11例に加え3例、計14例を収集し、語られた内容分析したところ、「運がいいと思う」「欲求の表出」「家族への感謝」などの前向きな語りがある一方で、「病気の辛さ」など、ネガティブな語りがみられた。さらに、ナラティブアプローチの介入と介入前後のSEIQoL-DWを実施した事例は16例であり、入院時に比べ退院時のSEIQoL-DWが低下している事例と向上している事例があり、ナラティブアプローチにより、具体的な目標が見つけることができた事例はSEIQoL-DWが向上していた。しかし、入院直後はリハビリに期待していたが、退院間近になり今後の社会生活に不安を抱いてしまった事例は、SEIQoL-DWが低下していた。(3)のナラティブの書き換えに影響する要因として、現実の自己をみつめ、具体的な目標を見つけることができるかどうかが影響していると推測された。
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