外来化学療法を受ける肺がん患者の生活を支援する情報提供・相談システムの開発と評価

2009 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 20390557
• 研究機関: 兵庫医療大学
• 研究代表者: 網島 ひづる 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (90259432)
• 研究分担者: 大田 直実 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (90289588) ; 小西 美ゆき 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (30292684) ; 平岡 玲子 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (00514283) ; 大西 英雄 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (10326431) ; 山中 道代 県立広島大学, 保健福祉学部, 講師 (60280187)
• キーワード: 外来化学療法 / 肺がん患者 / 生活支援 / 情報提供 / 相談システム

研究概要

本研究は、外来で化学療法を受ける肺がん患者のQOL(Quality of Life)を高めるために、患者の療養生活を支援する情報提供・相談システムの開発と評価を行なうことを目的とする。研究期間は4年である。平成20年度は、患者・家族および全国がん診療連携拠点病院で化学療法に関わる医師、看護師、薬剤師、臨床心理士、ソーシャルワーカーなどの専門家を対象に、重要と考える情報・情報提供の現状を調査した。平成21年度は、前年度の成果をもとに情報内容の作成・蓄積を行い、情報提供のための画面作成・情報検索を含めたシステムを開発しフィールドテストを実施した。その結果をふまえて改良することを目的とした。
情報の出力画面作成と蓄積(データベース化)の項目は、「病気の理解」「治療法の理解」「セカンドオピニオン」「症状・副作用の対処」「肺理学療法」「感染予防」「日常生活の管理」「心のケア」「異常時・症状悪化の対応」「セルフチェック」「社会的役割」「経済的問題(高額医療費・所得保障)」「サポート」「通院治療」などである。また、キーワード検索システムを構築し、検索部と内容表示部とは別windowとした。内容を表示する出力画面は大画面とし、わかりやすく・見やすい画面を作成するために、画面構成の統一、文字のフォントや大きさ、イラスト、図表を工夫した。開発したシステムについて、化学療法を受ける患者・家族・専門家から情報内容・画面表示、動作・操作性などについて評価を受けた。その結果、疾患や治療・副作用の内容がむずかしい、図表の文字が小さく見にくいなどの指摘を受けた。そこで、専門用語を平易な表現に変更、図表のサイズなどに改良を加えた。今後は、よりわかりやすさを目指すために、呼吸訓練・排痰法の動画、音声による内容説明などをシステムに追加していきたい。