リンパ浮腫治療・ケアの質の保証のための体制作りの初年度として、第一番目にリンパ浮腫セラピストを日本ではどのような教育プログラムで教育しているか、多様な教育プリグラムからカリキュラム研究をとおして、日本におけるリンパ浮腫セラピストの教育の在り方を検討した。次に患者の治療・ケアを進めていく上でセラピスト同士のネットワークが大切であることから、ネットワーク作りを行った。教育プログラムについて:日本において団体が作る養成機関が2件、学会が企画するものが1件、各専門職団体が企画するものなどがあった。また、民間の関連会社が企画するもののあった。そのプログラム内容としてリンパ浮腫の一般的基礎知識、マッサージ等の技術習得が組み合わされていた。しかし、その内容、技術習得の時間などに長短があり、プログラムとしての基準は設けられておらず、質の担保に問題があった。リンパ浮腫治療・ケアのできる医療職は急務であるが、ある程度の質を高められるような基準は必要である。リンパ浮腫治療・ケアを行っていくには、一施設の一職種が行うには限界があり、チーム医療としての役割分担が必要である。それは、一施設おいて他職種との連携を作り、治療を進めていくという方法と、地域の中で一つの治療体系システムを作る試みである。そこで、地域のリンパ浮腫治療・ケアに携わる専門職でネットワークを作り、リンパ治療支援体制作りを行うことを試みた。集中的排液を入院施設のある病院で行い、その後のフォローアップを小さな治療院が行う。連携会を持ち、連絡を密に持ちながら治療を行う。これにより患者の物理的不安は解消された。しかし、経済的問題はまだ残っており、今後の課題である。
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