本研究の2年目は、リンパ浮腫治療・ケアの質の保証を担保するための評価研究を実施した。本研究の開始と同時にシンパ浮腫予防教室を開始しており、この教室の評価を行った。1年間の予防教室の受講者155名を対象にアンケート調査を行った。調査内容は予防教室の後リンパ浮腫を予防するためのセルフケアを実施できているか、教室の内容が理解できたかなどについてある。リンパ浮腫の予防教室は、参加のきっかけは、医療従事者からの勧めであることが多く、リンパ浮腫発症していない人、リンパ浮腫ステージの軽い人は、早くのリンパ浮腫教室の参加を肯定的に評価していた。また、教室を受けることで、リンパ浮腫の知識を得ることができ、また日常の予防行動が取れるようになるため、リンパ浮腫のステージが上がる(悪化)ことはなく、同じステージにとどまっていることが多かった。予防教室の参加は、リンパ浮腫の発症および進行を遅らせる効果があることが明らかになった。 2つ目の評価はリンパ浮腫外来での、リンパ浮腫ケアのセルフケアの成功例の事例分析を行った。4事例の分析において明らかになったことは、リンパ浮腫のセルフケアにおいて特にセルフリンパドレナージの方向性を認知的に技術的に習得されているか外来受診ごとに評価していた。看護師によって皮膚チェックが行われリンパドレナージの技術であるほぐしの技術の教育が行われ、習得されていた。また、弾性包帯の巻き方を段階別にすることで習得率が上がっており、よりセルフケアにつながっていた。患者は患側の周囲径が可視的に明らかになったことが、自己効力感をあげ、リンパ浮腫ケアのセルフケアカを挙げる結果につながっていた。 これらは、エヴィデンスレベルでは、IIIレベルであることから、より信頼性のある研究デザインによってこの結果を示す必要がある。
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