研究課題
成人移行期の小児慢性疾患患者の心理社会適応を高める看護について、来年度の全国調査票の原案作成および看護実践に向けた準備を行った。(1)移行期ケアを中心とした海外フィールド調査では、ボローニャ大学医学部附属小児病院においてフィールド調査を行い、家族看護の実際、外来化学療法時の心理支援、思春期患者への心理療法やストレス軽減のための実践活動、心理的ダメージが大きい患者への精神療法についての情報・資料収集を行った。また、米国およびオーストラリアの小児病院のHP上に公開されている移行プログラムを収集し、分析を行い、インタラクティブメディアのヒントを得た。(2)国内調査準備および(3)事例への看護実践準備については、当大学医学部付属病院、国立成育医療センター、国立病院機構千葉東病院、あいち小児保健医療センター、北里大学病院の看護師らを研究協力者として会議を3回開催し、成人移行期にある患者への移行支援の実際について、各施設の研究協力者よりヒヤリング・アンケートを行い、それらを基に調査原案の作成した。さらに、来年度以降に展開する看護実践のあり方について議論を重ねた。国内においては、移行という言葉そのものの定義が施設や疾患によって様々であり、全国調査で移行支援の実態調査を正確に行うこと事態に困難があることが明らかになった。そのため、調査票の設計には、対象疾患者を社会生活可能な疾患・治療状況に限定し、また移行の現況については複数選択肢を設けた。来年度の全国調査計画書については、当大学医学部の倫理委員会に申請中である。事例への看護実践については、成人移行期の看護ガイドラインを策定し、さらにそのガイドラインを実践する専門的な技能を有した看護師を養成することが不可欠との結論に達した。国内外の資料・情報収集と分析を総括し、研究協力者会議でこのような看護師を養成するプログラムの内容を検討し、来年度に2日間ずつ2回にわたって実施予定である。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)
心療内科 13 (2)
ページ: 153-156
日本デザイン学会研究論文集 55 (2)
ページ: 97-106
日本小児看護学会誌 17 (2)
ページ: 16-23