研究課題/領域番号 |
20390563
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
生田 まちよ 熊本大学, 医学部, 助教 (20433013)
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研究分担者 |
宮里 邦子 熊本大学, 医学部, 教授 (90304427)
野村 恵子 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (10452880)
永田 千鶴 熊本大学, 医学部, 准教授 (90404326)
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キーワード | 在宅人工呼吸療法 / 小児 / 家族 / ホームベースケア / レスパイトケア / 在宅ケア |
研究概要 |
1.在宅人工呼吸療法(以後HMVと略)中の学童児の家族へ、定期的に月に2回、1回8時間、継続して訪問ケアを行うホームベースのレスパイトケアを実施した。母親は、定期的ホームベースレスパイトを開始して定期的に自由になる時間ができたことで「精神的な開放感をえること」ができ、「身体的負担の軽減」も得られたが、「同居の義父母への気兼ね」や「解決されない家族関係への思い」などが語られた。看護師への面接調査で「児への成長への支援」や「家族構成員への介入に対しての葛藤」など長時間であるため看護の展開への意識の変化が生じた。今後も継続して定期的なホームベースレスパイトケアを拡大していく予定だが新規の希望家族に対して受け入れのステーションを得ることが難しく今後の課題である。 2.HMVを行っている小児の家族に対して時間の経過と介護の家族に及ぼす影響の質的研究については、8名の母親に対して半年毎に面接を実施し小児の介護が家族に及ぼす影響を個々の家族員・地域・社会システムとの関わりにおいて総合的に分析を実施している。 3.小児のホームベースレスパイトを行う上での訪問看護の問題点や課題を分析する目的でA県内のステーションに質問紙調査を行った。55カ所のステーションの管理者より回答が得られた。小児HMV患者への長時間訪問を可能にする条件としてステーションの構造面に関する「人員を中心とした体制整備」「夜間対応・複数訪問を可能とする体制整備」「報酬の見直しによる長時間訪問の評価」、訪問看護師の資質に関する「訪問看護師の不安・ストレスの解消」「専門的な知識・技術の習得」、ネットワークの構築や連携に関する「小児の在宅支援医の充実」「家族・患児との信頼関係の確立」「障がい児看護、母親・きょうだいを含めた家族看護への支援のための研修やコンサルテーションシステムの構築」があげられた。
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