研究課題/領域番号 |
20390564
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
齋藤 いずみ 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10195977)
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研究分担者 |
伊藤 道子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (50341681)
遠藤 紀美江 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (70382504)
西 基 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50237658)
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キーワード | 分娩 / 安全 / 質 / 実証データ / 周産期 / 看護時間 / 看護行為 / システム |
研究概要 |
研究目的: 実証データを基盤に、多角的総合的に「分娩時の安全と看護の質を保証するシステム」を開発し、その効果と安全性を検証する。限られた医療.看護資源の効果的・効率的な分配の実現を目的とする。 研究実施計画: 分娩の概要(曜日、時刻、経過、重症度、新生児の状況など)と当該分娩に、投入した看護行為、看護時間及び産婦の分娩時の満足度の等の実証データを基盤に、分娩時の安全性、分娩時の看護の質の向上、それらを可能とするシステムについて、分娩第1期から分娩第4期までの医学経過に対応した医療処置、看護行為、看護時間を測定分析し、それらの安全と質について総合的観点から産科、小児科、助産学のエキスパートが分析検証する。 研究成果 A病院にて研究代表者および分担者の綿密な準備企画のもとに、豊富な臨床経験を持つ助産師に、研究の概要を十分に把握させ、測定に関する打ち合わせを綿密に実施した後、測定条件をできる限り一定に保証したうえで、24時間待機制にて、分娩第1期から分娩第4期までの看護行為看護時間の測定を、マンツーマンタイオムスタディ法にて実施した。測定を実施できた産婦の分娩に関する、分娩概要に関する調査シート、分娩経過調査シート、産婦の満足度調査を実施した。 結果:A病院にて2週間24時間にわたり、測定訓練を受けた助産師を配置し、分娩第1期から分娩第4期を測定した事例は5例であった。分娩所要時間の最大値は55時間44分、最小値は3時間30分、長い経過時間と入院後緊急に迅速な対応が必要な事例の両方を解析した。 分娩所要時間は医学的定義からは短いものの、病院内滞在時間の長い分娩事例の、安全と質の保証が必要であるという新たな課題に対する解析を実施した。これらの解析結果はアルゴリスム表にまとめ、異常や、事故発生の要因分析や、分娩時の看護の質の担保、新人助産師への教育等の観点から有効であった。
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