研究概要 |
多胎児の在胎週数は,双子で平均37週,三つ子で平均34週,四つ子で平均31週と短く,出生体重もそれぞれおよそ2400g,1700g,1400gと低体重である。このように在胎週数が短くかつ低体重で出生する多胎児の発育・発達過程は,単胎児とは異なった点が多く,発育・発達遅滞が多発しており,発達障害に至るケースも少なくない。今年度の研究では,在胎週数が短くかつ低体重で出生する三つ子の身体発育を縦断的に調査し,厚生労働省が報告している一般児の身体発育値との比較から三つ子の身体発育の特徴,特に身長を中心に分析した。 その結果,一般児との身長差は出生時に15%と最も大きく(男児,-7.0cm;女児,-7.0cm),最初の1年でその差は減少するものの,6歳まで2%から5%の差(男児,-3.7cm;女児,-3.3cm)で推移し,6歳になっても一般児と差があることが明らかとなった。また,出生身長は,1歳から6歳までの身長の発育に最も強く影響していることが判明した。
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