研究課題
1)医師・訪問看護師アンケート調査A県内で在宅医療を行っている413診療所の医師と訪問看護ステーション96カ所の訪問看護師を対象とし自記式アンケート調査を行った。看護の裁量が医師より大きい医行為は、医師の側からみると「浣腸・摘便の判断」のみであり、看護師の側からみるとこれに加えて、「薬剤の選択と量の調整」のうち、「下剤」「軟便剤」「鎮痛剤」「解熱剤」、「褥瘡に対する軟膏等の選択、ドレッシング材の選択」、「輸液廃棄判断」であった。しかしこの乖離は、裁量権を巡る対立ではなく、「医師の指示」の解釈によるものであり、医師、看護師とも「抗生剤の選択と量の調整」、「在宅酸素の流量調整」「食事量に応じたインスリン摂取量」などは、医師の個別具体的な指示が必要なものと判断していたように、その業務分担に大きな差異は認められなかった。2)医師・訪問看護師に対するインタビュー調査医師10名、訪問看護師10名に対して面接調査を行い、その結果を質的に分析したところ、具体的な医行為の分担については、患者の生活に密接な関係をもつ食事、排泄、水分補給等に関する医行為は基本的に看護師の裁量権が認められていた。また、看護師の方が医師より精通している分野である褥瘡ケア等も看護師の裁量が大幅に認められていた。一方、治療のウェイトが高い抗生剤は医師の裁量下にあった。それぞれ10名のうち、5名ずつはそれぞれ同一の医療機関に属していたが、両者に大きな見解の違いは見られなかった。また病院に附属する訪問看護ステーションでは、看護師独自で判断するメリットがほとんどない一方で、独立型のステーションでは連携医師が多くなるほど、裁量権が必要となる傾向が見られた。また、将来のわが国におけるナース・プラクティショナー(NP)の導入に関しては、医師の側は積極的な支持と、患者や家族が望まないだろうという消極的な意見が混在していた。一方訪問看護師の側は、現状での対応の方が現実的であり、仮にNPが資格として認められたとしても、自分はそれになりたいとは思わないという意見が大半であった。
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