研究課題/領域番号 |
20401012
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
市川 昌広 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (80390706)
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研究分担者 |
井上 真 東京大学, 地域研究統合情報センター, 教授 (10232555)
島上 宗子 京都大学, 地域研究統合情報センター, 研究員 (90447988)
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キーワード | 熱帯里山 / 先住民 / 熱帯雨林 / 生業 / イバン人 / ダヤック / 日本の里山 / 過疎高齢化 |
研究概要 |
20年度から引き続き調査しているマレーシアのサラワク州および半島部、インドネシアの東カリマンタン州および中部スラウェシ州での調査に加え、熱帯里山との比較のために日本国内の里山利用についての調査を実施した。サラワク州においては、バラム川流域において進行しつつある、企業によるプランテーション開発、都市への人口流出に伴う過疎・高齢化、村人自身による村落開発の進展について調査し、プランテーションをめぐって企業と村の間で土地争いがみられること、村によって過疎化の状況が大きく異なることが分かった。半島部では、これまでの調査結果を分析・考察、さらに世界各地の「里山」との比較検討により、都市と農村あるいは生産地と消費地をつなぐ新たな関係のあり方「関係価値」という概念を提唱した。東カリマンタン州では、地方分権化・民主化の動きの伴い、村の人々が企業と組んでアブラヤシプランテーションの開発を進めている。熱帯里山の維持者であったはずの人々をアブラヤシ農園開発の拡大に駆り立て、熱帯里山を消失へと導く結果となっていることが明らかになった。中スラウェシ州では、ドンガラ県トンプ集落において、焼畑を軸とした人と森の関わりに関する調査を、現地NGOと連携する形で実施し、森の伐開の儀礼、穂刈、種まきのプロセスを参与観察し、その意味内容を聞き取った。日本の里山における比較は、高知県大豊町においておこなった。過去からの里山利用、現在の過疎高齢化問題について調査した。熱帯里山と共通してみられる問題もあり、将来的な比較研究の可能性がみえてきた。
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