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2009 年度 実績報告書

レンブラントおよびレンブラント派における和紙による版画素描作品の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20401015
研究機関独立行政法人国立美術館国立西洋美術館

研究代表者

幸福 輝  独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 上席主任研究員 (00150045)

キーワードレンブラント / 版画 / 素描 / 和紙 / 17世紀オランダ
研究概要

今年度はパリとアムステルダムを中心に調査をおこなった。パリは18世紀以降、ヨーロッパの政治・経済・文化の中心だったこともあり、レンブラントの版画の収集が他の都市よりも早くから熱心におこなわれ、現在もなお、パリ国立図書館、プチ・パレ、ルーヴル美術館、ブリッツ・ルクト財団の四ヶ所にレンブラント版画の優れたコレクションが残されている。各館の協力を得て、和紙に刷った作品を可能な限り抽出し、個々の作品について調査をした。また、パリとアムステルダムで17世紀以降の版画関連の原典調査をおこない、和紙ないし東洋紙に刷ったレンブラントの版画がどのように受容されていったのかについて資料収集をおこなった。この成果は、2009年12月の「ネーデルラント美術研究会」(清泉女子大学)で発表された。いずれ、この成果は活字にして発表する予定である。
過去2年間の各地における和紙刷り版画の調査により、レンブラントが使用した和紙は3~4種類に及ぶこと、と同時に、和紙の使用に一定のルールは見られず、1650年代以降の多くの作品のさまざまなステートに和紙の使用が見られることが明らかとなった。和紙の使用に一定め方針が見出せるのではないかという申請者の期待は、現時点では裏切られたままになっているが、ステートの下がるもののうち、少なからぬ数の東洋紙作品の多く(これらは従来の文献では和紙と表記されてきた)が中国紙であること、また、同時に、研究者の間でしばしば中国紙と呼ばれている東洋紙が、おそらく、和紙の一種である「こうぞ紙」である可能性が高いことなどが明らかになってきた。また、レンブラント歿後に刷られた東洋紙作品の数が予想以上に多いことなども事実として、浮かび上がってきた。レンブラントにはいわゆる真正な「ガンピ紙」も多いのであるが、他方、レンブラント周辺の画家や版画出版者は、商業上の理由から東洋紙を利用した可能性が高く、このあたりは、今後さらなる調査が必要となるだろう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] レンブラント版画研究:和紙の視点から2009

    • 著者名/発表者名
      幸福輝
    • 学会等名
      ネーデルラント美術研究会
    • 発表場所
      清泉女子大学
    • 年月日
      2009-12-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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