平成21年度は、まず、昨年度に引き続き、ニューヨーク公共図書館スペンサーコレクションでの調査研究を行った。その際、反町茂雄氏『ニューヨーク公立図書館スペンサーコレクション蔵日本絵入本及絵本目録』(昭和53年、弘文荘刊、以下、「反町目録」と略称する)を使用し、それが刊行された時点での全貌を把握した上で、研究代表者と連携研究者の4人が、それぞれの専門分野の担当となり、実際の調査の中心となった。その分担は、石川透が物語・説話関係、佐々木孝浩が歌仙関係、寺澤行忠が和歌関係、佐藤道生が漢籍関係ということになった。 反町目録に掲載されている作品数は相当数に及び、内容も様々である。それぞれの作品を4人の担当者で分け、下調べをした上で、スペンサーコレクションにおいて、調査・撮影を行うのである。4人とも大学での授業があり、さらには、寺澤は、定年退職したので、この出張は、夏休みに合計3人で行った。 また、春休みには、スペンサーコレクションと関係する資料があるワシントンDCフリア美術館へ石川透が、フランスギメ美術館へ佐々木孝浩が調査に赴いた。
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