研究課題/領域番号 |
20401018
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
上里 賢一 琉球大学, 法文学部, 教授 (50101457)
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研究分担者 |
赤嶺 守 琉球大学, 法文学部, 教授 (20212417)
前門 晃 琉球大学, 法文学部, 教授 (60190287)
金城 宏幸 琉球大学, 法文学部, 准教授 (50274874)
比屋根 照夫 琉球大学, 名誉教授 (10045172)
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キーワード | 琉球漢詩文 / 東アジア漢字文化圏 / 交流史 / 知識人 / 思想史 / 琉球官話 / 冊封使 |
研究概要 |
本研究の目的は、琉球の漢詩・漢文が、東アジア漢字文化圏の中でどのような特色を持っているかを明らかにすることにある。琉球の漢詩・漢文の成立と展開に、中国をはじめ日本・朝鮮・ベトナムなど東アジア漢字文化圏の国々がどのように関わり、どのような影響を与えたかを検討するために、本年度は、公開学術討論会を開催し、関連資料の収集・交流史跡の調査を重点的に行った。 琉球大学で開催した公開学術討論会「琉球官話と中国のことば」では、中国社会科学院、東北大学、大東文化大学から中国語学の研究者を招聴し、琉球漢詩文研究者との議論を行った。 上海図書館、復旦大学図書館において琉球と中国の交流に関わる文献資料の調査と琉球漢詩文の収集を行った。清代末期に発刊された新聞「上海新報」から、琉球の進貢使節に関する記事をピックアップし、冊封使・徐楳光の詩集「奉使琉球詩」を収集した。蘇州においては、中国で客死した琉球人・程泰柞の墓、孔子廟や国子監跡などの史跡調査を行った。 ベトナムのハノイでは、ハンノム研究院、ベトナム国家図書館、歴史博物館において文献資料の調査・収集を行った。琉球と同じく中国の冊封体制下で朝貢国として地位にあったベトナムの進貢使節の旅程・北京での儀礼・参観・交際を詳細に記録した資料や、琉球の使節との交流を示す漢詩文を複写入手した。 愛知大学東亜同文書院大学記念センターと愛知大学図書館では、旧東亜同文書院所蔵の清代末期から民国時代までの琉球・中国に関する文献資料の調査を行った。 ベトナムのフエでは、潘佩珠記念館において、潘佩珠の墓碑銘(漢文・ベトナム文)を記録し、潘佩珠の孫嫁に聞き取り調査を行った。 本年度の成果としては、(1)国内外の研究者との議論を深め、連携を強めることができた、(2)文献資料の調査・収集では新しい資料を数点発掘し、大きな収穫が得ることができた、(3)潘佩珠の孫嫁への聞き取り調査により、家系と資料の存在について確認し、次年度以降の調査研究への足がかりを得ることができた、が挙げられる。
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