研究課題/領域番号 |
20401019
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
大西 直樹 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (80152198)
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研究分担者 |
生駒 夏美 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (60365525)
岩切 正一郎 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (60262060)
KRISTEVA Tzvetana 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (80365519)
佐野 好則 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (50295458)
本山 哲人 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (20386527)
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キーワード | 文学教育 / リベラルアーツ / アメリカ教育史 / ヨーロッパ教育史 / 高等教育制度 / 古典文学 / 西洋古典文学 / 文学研究 |
研究概要 |
今年度は4月にオックスフォード大学のスティーヴン・ハリソン教授を招待し古典文学ヴァージルとイギリス文学との関連について研究会を開催した。文学作品にもスローフードにあたる作品があり、時間をかけて理解する努力が強調され、オックスフォード大学では履修上での工夫も効を奏していて、研究および関心も高いレベルで保持されているということだ。生駒夏美上級准教授はハーヴァード大学の燕京研究所に一年滞在していたが、ボストン大学のアメリカ文学者、アニタ・パターソン教授と意見交換を行った。最近の学生は深い文学経験を持っていないため、詩の朗読などの文学経験を深めることの重要性が強調された。さらに、カリフォルニア大学のスーザン・クライン教授とも、日本文学の教育方針について,アメリカ人学生に教える際視聴覚教材の有効性について積極的な意見を聞くことができた。9月には、ブリストル大学のジョン・リー教授の「リベラルアーツ教育における文学教育の歴史と可能性」、ハーヴァード大学のデイヴィッド・ホール教授の「教養教育と文学教育/研究」の二つの講演を聴き、シンポジウムを開いた。ブリストル大学では、近年のカリキュラム改革を経て、しっかりした古典教育およびイギリス文学においても古典的作品を充分に扱っている点が強調された。しかし、ハーヴァード大学では、教養教育の中核をなす文学教育の中心的テクスト選択については結論に至らなかったという。3月には、フォーダム大学のジェイムズ・マルーシス教授を招いて講演会と研究会を開催した。そして、最後に岩切正一郎教授がフランスのパリ第三大学に出張し、ロベール教授と面談し情報交換を行った。氏は、かつてお願いしていたインタビューに文書回答し、大学に於ける文学教育の役割を、中等ならびに高等教育課程で学ばれる規範的テクストを超えたところで共通の文学的レフェレンスを構築することと、方法論的工夫を教育目的へ適応させることの二つを挙げていた。
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