研究課題/領域番号 |
20401021
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
庄司 博史 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (80142016)
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研究分担者 |
渡戸 一郎 明星大学, 人文学部, 教授 (00230946)
平高 史也 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (60156677)
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キーワード | 言語学 / 社会学 / 移民政策 / 移民 / 移民言語 / 言語接触 / 言語政策 / 母語教育 |
研究概要 |
本研究は日本の多民族化に伴い、移民との言語的共存の道を探ろうとするものである。視点としては、海外都市の同様の現象との比較や行政的対応の方法に注目するが、初年度の20年度は、今後の調査研究の予備調査も含めて、対象国家の基礎的なデータの収集や研究者との協力体制の構築につとめた。代表者の庄司はフィンランドにおける移民への母語教育に関する実地調査を基軸として、移民コミュニティの文化活動を2都市において調査した。研究分担者である渡戸はシドニー、メルボルン、ソウルにおいて移民の言語活動の状況や帰属意識、自治体の政策に関して調査をおこなった。おなじく平高はEUの多言語都市プロジェクトを推進してきた研究者Guus E.氏を招聘し、欧州の移民言語政策、言語教育や移民言語研究に関し3回の講演会を開催し、研究交流に向けて基盤形成をおこなった。 連携研究者・協力者では、井上史雄は、関東の移民集住地において多言語表示、多言語サービス、母語教育の基礎データを収集し、多言語表示に関しては地理的情報と相関を調査しデータベース化のため整理作業をおこなった。オストハイダ、Tはドイツでトルコ移民を中心に言語使用・意識調査を実施した。イシ、アンジェロはサンパウロにおいて在外ブラジル人関係基礎資料収集し、ブラジルの日系人、北米でのブラジル人移民のメディアと移民作家を調査した。金美善は韓国では中国朝鮮族を中心とする移民言語状況について、米国ではコリアンの言語教育等について調査を実施した。藤井久美子は神戸、横浜の中国人に対し中国語、日本語教育活動、扶助組織の有無など言語維持・習得への影響を調査した。バックハウスは関東にておもに行政の多言語による対外国人サービスの調査を行い、窪田暁は東海地方・阪神間における南米移民の言語使用について予備調査を実施し、中米にてドミニカ系移民コミュニティでの言語維持状況の調査を行った。
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