研究課題/領域番号 |
20401023
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
前川 眞一 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (70190288)
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研究分担者 |
梅木 由美子 宇都宮大学, 留学生センター, 教授 (60203577)
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キーワード | 日本語教育 / 評価・測定 / 言語テスト / テストの妥当性 / テストの信頼性 / 大規模日本語試験 / BJTビジネス日本語能力テスト / テスト・ビリーフ |
研究概要 |
本年度は、22年度までに収集したデータの分析とその取りまとめに当たり、報告書の素案を作成した。ビジネス日本語能力試験の既出の問題の中から、1.統計的に特異な項目特性を持つ問題を抽出し、2.何故にその問題の特性が特異であるかを検討し、3.その原因を取り除いた形で問題を改変し、4.模擬被験者に再実施をしたデータを分析し、5.問題の項目特性の改善の有無を調査した。 この結果、ほとんど全ての改変問題に関して、その統計的項目特性の改善を観察した。 このことは、従来、項目の統計的性質が不備であるために、予備試験段階もしくは本試験実施後に項目プールへ追加されなかった問題も、適切な改変を加えれば、新たに、統計的に優れた問題として再利用できることを示したもので、大規模試験の現場に於いて項目作成の合理化の一助になると考えられる。 他方、テスト・ビリーフ調査については、因子分析の結果、低得点グループの方が高得点グループよりも、「目標言語が使用されている国に住んでいる方が語学テストで高得点を取れる」「聞き取りや聴解試験で点数をとれる人は目標言語母語話者と円滑に会話ができる」と考えていること、低得点グループの方が高得点グループよりも、聞き取りや聴解試験に対して苦手意識があることなどが明らかになった。
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