研究課題/領域番号 |
20401026
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研究機関 | サイバー大学 |
研究代表者 |
菊地 敬夫 サイバー大学, 世界遺産学部, 准教授 (10367112)
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研究分担者 |
犬井 正男 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50125902)
佐藤 真知子 東京工芸大学, 工学部, 教授 (30226005)
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キーワード | 史料学 / エジプト学 / 画像工学 / 考古学 / 文化資源学 / 死生学 / 比較文明学 / エジプト |
研究概要 |
1.「アムドゥアト書」の史料化のための研究 「アムドゥアト書」をどのような史料にするか、その検討を継続して行なった。アメンヘテプ3世王墓でのデジタル撮影で得られる画像の色彩について、史料化する際に2つの異なったコンセプトが得られた。一方は、壁面に施されている色を忠実に再現するというものであり、他方は、壁面に施されている色をより明確に表現することで画像を判別しやすくするというものである。これらのコンセプトは優劣をつけられるものではない。今後、編纂する史料の目的と想定される利用者の要望を考慮しつつ、どちらのコンセプトを採用するか判断していく。また、史料の形体として、多言語対応の画像およびテキストのデーターベースとし、その仕様の概要を明確化した。さらに、本研究の取り組みは、デジタル画像技術を応用した史料化の動向において、今後の歩むべき方向を指し示していると考えている。これまで、予算措置を十二分に得られる巨大プロジェクトとして進められてきた事例はあるが、すべての文化財に対してこのような理想的な記録環境が得られるものではない。このような現状を踏まえれば、本研究課題での史料化手法は、方法論といった観点からも類似した課題に対して参考例として貢献できるであろう。 2.デジタル一眼レフカメラを用いた「アムドゥアト書」の第3次撮影記録調査 アメンヘテプ3世王墓の埋葬室の壁面に施されていた「アムドゥアト書」は、壁面から剥落した破片が100点近く蒐集されて、現地の王墓に保管されている。2012年3月に実施した今次調査では、これらの破片をデジタル撮影し、記録した。この画像データは、今後、壁面全体の画像史料の補足資料として位置づけることができる。また、本研究で開発してきたデジタルカメラを用いた記録手法の応用性を検証するために、神殿や居住遺跡におけるパノラマ撮影をおこなった。
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