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2008 年度 実績報告書

紀元前7千年紀におけるメソポタミア新石器社会の再編と古環境

研究課題

研究課題/領域番号 20401030
研究機関東京大学

研究代表者

西秋 良宏  東京大学, 総合研究博物館, 教授 (70256197)

研究分担者 小口 高  東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (80221852)
鹿島 薫  九州大学, 理学研究院, 准教授 (90192533)
キーワード新石器時代 / メソポタミア / 土器の起源 / 集落構造 / 農耕牧畜 / 古環境 / 井戸
研究概要

本砕究は、シリア東北部、ハブール平原に位置するテル・セクル・アル・アヘイマル遺跡げ発掘調査を実施し、紀元前7千年紀に生じた社会再編、環境変化の実態、ならびにその相関を解明することを目的としている。平成20年度は、当概期に相当する地層を約300平米発掘し、これに関わる原データの入手につとめた。また、国内においてその解析を開始した。主な活動、成果は以下のとおりである。(1)発掘した地層は前7千年紀の前半、先土器新石器時代から土器新石器時代への移行期に相当する。当遺跡でこの間にみられた顕著な文化変化がメソポタミア最古級の土器が出現することであることは既に判明していたが、これに加え、建築物の様式が激変する点も新たにわかった。すなわち、小形で単室もしくは2-3室のみで構成される家屋が、さらに多くの部屋からなる大形家屋に変貌していた。この点は、社会構造の変化を示唆すると考えられる点で重要であり、その解釈に向けてさらに詳細な付随情報を得ることが必要となる。
(2)先土器新石器時代末の居住層において、深さ約4mにもたっする井戸が見つかった。これは世界最古級の上水井戸である。農耕村落の発展、人口増などの結果、生じたものと考えられるため、社会変化を解明するための一級資料となる。一方で当時の地下水位、あるいは古地形、古環境の再構築にも資する情報をもたらすと考えられたため、堆積物を採取し、珪藻分析、土粒分析などを開始した。
(3)前7千年紀に生じた古環境変化と文化変化の対応を年代学的に跡づけるために、発掘トレンチ断面から数十にのぼる炭化物を採取し、解析を開始した。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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