研究課題/領域番号 |
20401035
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
長谷川 奏 早稲田大学, 総合研究機構, 准教授 (80318831)
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研究分担者 |
吉村 作治 早稲田大学, 理工学術院, 客員教授(非常勤扱い) (80201052)
近藤 二郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70186849)
下田 陽久 東海大学, 工学部, 教授 (20056245)
惠多谷 雅弘 東海大学, 情報技術センター, 係長、技師補 (60398758)
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キーワード | エジプト / 西方デルタ / 衛星画像 / 遺跡立地条件 / 都市 |
研究概要 |
本研究は、初期文明の時代における行政拠点(メンフィス)とヘレニズム文明の時代の行政拠点(アレクサンドリア)が取り結んだ地域圏を研究対象として、西方デルタにおける遺跡の立地条件を解明することを目的とする。ただしデルタ地域は、近年に開発が大きく推進された地域でもあるために、フィールド調査に、衛星写真、歴史地図、古写真等の分析成果を用いる。2008年度は、画像情報班は、研究対象地域である西方デルタ(約200km四方)を中心として、LANDSAT、CORONA、Quick Bird等の画像情報を整備した。考古班は、古代エジプト都市構造の把握のために、テーベ、アマルナ、メンフィス等の考古学情報を整理して、データベース化を行った。またエジプト測量局が作成した地図(主に縮尺1/25000)、Mahmud al-Falakiが1866年に作成した歴史地図を取得してデジタル化を行い、Lehneret & Landrock社所有のメンフィス地域の古写真を集中的に集めた。これらの資料蓄積をベースに、2008年9月には長谷川が当該地区の概査を行い、遺跡の分布状況を把握した。その上で、2009年2月には、カイロにおける国際会議で、リモートセンシング技術の考古学分野への応用のあり方を討議した上で(長谷川、吉村、下田、惠多谷)、長谷川と惠多谷はメンフィスと西方デルタのイドゥク湖の踏査を行い、特に表層に土器片が濃密に分布する場合のLANDSAT画像の有効性や、イドゥク湖の古環境の復元に、19世紀初頭の歴史地図(“Description de I' Egypte"等)や1960年代撮影のCORONA画像の有効性を確認した。遺跡の考古情報に関しては、現地査察局の協力を得て多くを収集した。それらの主たる研究成果は、代表者と分担者のそれぞれが、Sate-Egitto, vol.1に纏めて公開した。
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