| 研究課題/領域番号 |
20401037
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| 研究機関 | 東亜大学 |
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研究代表者 |
黄 暁芬 東亜大学, 人間科学部, 教授 (20330722)
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| 研究分担者 |
宇野 隆夫 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (70115799)
吉井 秀夫 京都大学, 文学部, 准教授 (90252410)
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| キーワード | 戦国・秦漢時代 / 内蒙古辺境の城塞と長城 / 中央帝都と北方郡県城市 / GPS・GIS解析 / 北方位重視の都市空間 / ロマン・ロードと秦直道 / 作道工法 / 東西古道の比較 |
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| 研究概要 |
本年度の研究計画に基づき、中国秦漢時代の都城と陵墓、帝国の南北幹線道路および内蒙古陰山南麓の郡県城趾、北方長城・城塞遺跡などのGPS調査が行い、陝西省子午嶺直道の試掘調査を実施した。対象遺跡のフィールドを通して、漢魏時代における中央宮都と北方郡県城趾の立地方位と景観を比較、考察し、とくに漢と遊牧民の文化交流の仕組みを探求し、その推移を実証的に解き明かそうと励んでいた。それに、ユーラシア大陸の文化交流の視点をもって、主に東西古代道路の比較に焦点を当てて実地調査を展開した。平成23年度、本課題の研究実績は、以下の3点にまとめられる。
その1、対象遺跡のGPS調査と試掘:1)都城と陵墓-(1)陝西省咸陽市・秦代咸陽宮;西安市秦阿房宮前殿、極廟遺跡、(2)西安市戦国秦東陵の陵園大墓;始皇帝陵園の分布調査、(3)河南省洛陽市・漢魏洛陽城、城北の〓山漢魏陵墓および近年、ここで発掘された曹魏の大司馬曹休墓の実地調査・測量。2)秦直道-(1)陝西省子午嶺直道のGPS測量調査、同子午嶺上黄陵県秦直道の試掘調査を実施し、秦直道の陝西省ルートを判明し、その建造、使用、廃棄年代について確たる証拠を得た、(2)陝西省甘泉県直道の発掘現場にて調査実施、(3)陝西省安塞県秦直道と行宮遺跡の実地調査。3)内蒙古陰山南麓・河套地区-(1)内蒙古包頭市西の北方国境線の長城、城塞遺跡(烏拉特後旗の高〓塞、鶏鹿塞)、(2)内蒙古磴口県一帯に分布する漢魏朔方郡県城趾(臨戎古城、〓渾古城、三封古城、陶昇井古城);(3)烏拉特前旗張連喜店古城、三頂帳房古城、(4)秦九原郡城(漢五原県)-麻池古城と召湾大墓のGPS測量調査を実施した。
その2、秦漢-古代ローマ道路の実地調査と比較:1)秦漢古道-(1)陝西省秦直道、始皇帝陵北大道、漢帝都長安西部の交通大道のGPS調査と測量、(2)秦漢古道の作道工法についての考察、2)イタリア本土のロマン・ロード-(1)古代ローマのエミリア街道(アオスタ～ボローニャ)、(2)フラミニア街道(ローマ～テルニ)とローマ道沿線の都市遺跡(Carsulae)・都市道路の実地調査とGPS測量、(3)アッピア街道全線(ローマ、テラチーナ、フォンディ、イトリ、ナポリ、ブリンディシ)のGPS調査と測量、(4)ロマン・ロードの作道工法・技術の考察を実施した。その結果、東西古代道路文化の異同を初めて明らかにした。
その3、本課題研究の成果報告書の編集:1)対象地域の(4年分)調査データを総集成する-(1)年度別の遺跡調査リストの編成、(2)年代・遺跡別に個々遺跡の資料整理と記録、2)総合的な考察と分析-(1)対象遺跡のGPSデータの計算と解析、(2)GPS・GIS資料の考察と分析を励んでいる。最終的に本課題研究の成果報告書を完成し、学術専門書として出版・刊行する予定である。
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