研究課題/領域番号 |
20401040
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館 |
研究代表者 |
臺信 祐爾 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部文化財課, 課長 (80163715)
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研究分担者 |
今津 節生 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部・博物館科学課・環境保全室, 室長 (50250379)
市元 塁 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部・企画課・特別展室, 研究員 (40416558)
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キーワード | 考古学 / 美術史 / 工芸史 / 東洋史 / 国際研究者交流 / 中国 |
研究概要 |
長く東アジアの中心的存在であった唐朝の滅亡(907年)後に勃興した遼、宋、高麗、日本の諸国は、それまでの唐代社会制度や文化を規範としつつ、それぞれ独自の文化を醸成してきた。これらのうち、遼代文化については、内蒙古自治区を中心に各地で重要な発見(陳国公主墓、トルキ山遼墓など)が近年相次ぎ、考古学的情報を伴う実物資料の量が飛躍的に増えた。考古調査に主導的な役割を果たしている内蒙古文物考古研究所と、現地及び国内で実施してきた工芸技術の変遷を軸とする遼代文化研究の基礎的な共同研究を実施した。これまでの共同調査をきっかけに、遼代作品を多数保管・展示する内蒙古博物院と当館は姉妹館協定を平成22年8月に結んだため、遼代文物研究協力体制が一層整備されたことは特筆すべきことである。 最終年度である今年度の調査は以下の通りである。 2010年4月:内蒙古自治区所在諸機関が所有する契丹族に係わる文物を取り上げた「黄金旺族」特別展に、スタッフ2名が出張して、未調査の遼代文物について調査を実施した。 2010年8月:スタッフ2名が内蒙古文物考古研究所、内蒙古博物院、新築移転した赤峰博物館はじめ巴林右旗博物館など各地で現地調査を実施し、新知見を得た。別のスタッフ1名は、彩色木棺の修復作業を現地で指導し、保存修復技術についても現地移転をすすめた。 2010年12月には内蒙古関係者4名を招へいし、スタッフ1名とともに中尊寺・毛越寺などに代表されるわが国平安時代浄土教仏教美術作品を調査した。 同じく2010年12月には、九州国立博物館ミュージアムホールにおいて国際シンポジウム「契丹帝国(遼王朝)の美術と文化」を開催し、3年間に及んだ共同研究の成果の一部を一般市民向けに発信した。また、本年9月から約1年間にわたって内蒙古の作品多数による特別展を、九州国立博物館、他の国内3美術館の計4会場で開催し、契丹族の社会生活や美意識などについて、一般市民にもわかりやすい形で紹介する予定である。
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