研究課題/領域番号 |
20401042
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡橋 秀典 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00150540)
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研究分担者 |
友澤 和夫 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40227640)
由井 義通 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80243525)
澤 宗則 神戸大学, 大学院・人間発達環境学研究科, 准教授 (40235453)
鍬塚 賢太郎 琉球大学, 法文学部, 准教授 (40346466)
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キーワード | 人文地理学 / インド / グローバリゼーション / 国内周辺部 / 山岳州 / 開発戦略 / 持続的発展 / 農村 |
研究概要 |
本研究は、インドの代表的な国内周辺部として北部の2つの山岳州、ウッタラカンド州とヒマーチャル・プラデーシュ州をとりあげ、低開発地域の社会経済的変動と今後の発展の可能性を実証的に明らかにすることを目的として実施した。2010年度は、前年のウッタラカンド州に続き、計画通りヒマーチャル・プラデーシュ州において本調査を行った。調査時期は2010年9月である。ただし、一部の分担者は2009年度の補充のためウッタラカンド州においても現地調査を実施した。2011年3月に日本地理学会大会で研究成果を報告するとともに、これまでの成果について研究の総括作業を行った。 2010年度の調査は、ヒマーチャル・プラデーシュ州の山岳地域および平原部で実施した。まず、山岳地域では、山岳都市シムラの都市化パターンの独自性を、また、地域開発における商業的農業や工業労働力養成の意義を明らかにした。平原部の工業開発については、山麓部の大規模工業団地の特質を明らかにするとともに、ウッタラカンド州で引き続き自動車工業を中心とした工業開発の特徴を追究した。ITC産業については、主に山麓部の都市チャンディーガルの集積について、その特徴を明らかにした。ウッタラカンド州の農村調査の補足調査として、観光化が進むノークチアタルの山岳農村についても調査を行った。 以上の調査により、インドの近年の経済成長の中で山岳州であるヒマーチャル・プラデーシュ州とウッタラカンド州の発展の状況が多面的に明らかにされた。両州ともに工業化や観光開発が進展し、経済成長が加速していることが確認されたが、二つの州の間に発展パターンの違いがあることも判明した。2州の相違が、いかなる要因によるのか、さらにインド全体の中でこの地域がいかなる位置を占めるのか、これらの追究は今後の課題となる。
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