研究課題/領域番号 |
20401043
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
張 貴民 愛媛大学, 教育学部, 教授 (50291620)
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研究分担者 |
白坂 蕃 帝京大学, 経済学部, 教授 (40014790)
池 俊介 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30176078)
杜 国慶 立教大学, 観光学部, 准教授 (40350300)
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キーワード | 少数民族 / 地域変化 / 民族文化 / 市場経済 / 人文地理学 / フィールドワーク / 中国 / 雲南省 |
研究概要 |
本研究は、少数民族地域における農業と農村の変容およびその促進要因を中国雲南省の事例から解明しようとするものであった。今年度は3年目で、現地調査を補足調査と位置づけて、調査地を徳欽県(チベット族の移牧とその変容)、麗江市郊外の拉市海(納西族の乗馬場経営)、新平彝族〓族自治県の南緘村(〓族の生業とその変容)の3ケ所に限定して現地調査を行い、より詳細なデータを得た。少数民族地域の変化要因について聞き取り調査と現地研究協力者らとの意見交換で把握した。また、調査地全体に係る最新の文献資料についても収集した。 調査を通じて、伝統的な移牧をするチベット族は乳製品(チーズやバター)の市場への出荷をより意識し、現金収入を多く得ようとすること、騎馬場を経営する納西族の村は乗馬場経営が主要産業として成長し観光客争奪で村間の競争意識が高まったこと、伝統的な農業を営む花腰〓の人々は換金作物や出稼ぎによって豊かさを求めつつも外来文化から自民族文化を守ろうとすることなどを明らかにした。社会主義市場経済の波を受けて、いずれの調査地でも地域条件の違いを反映して程度の差こそあるものの、農村地域の商業化が進んでいることを再確認できた。 これらの中間成果について、日本地理学会秋季学術大会(2010年10月、名古屋大学)において共同発表を行なった。また、今までの研究成果を『中国雲南省における少数民族地域の変容に関する人文地理学的研究』(151ページ)と題して2010年3月末に刊行した。これからはそれぞれの研究成果を更に発展させて学会誌に投稿する予定である。
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