研究課題/領域番号 |
20401046
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
宮脇 幸生 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (60174223)
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研究分担者 |
石原 美奈子 南山大学, 人文学部, 准教授 (20329741)
田川 玄 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (70364106)
藤本 武 富山大学, 人文学部, 准教授 (20351190)
増田 研 長崎大学, 環境学部, 准教授 (20311251)
松村 圭一郎 立教大学, 社会学部, 准教授 (40402747)
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キーワード | 開発 / 国家 / エチオピア / 南部諸民族州 / オロミア州 |
研究概要 |
本年度は研究会において、それぞれのフィールド調査の成果を報告し、これまでの研究のまとめを行った。 10月1日の研究会において石原は、エチオピアにおけるイスラム系NGOの現状について報告を行った。宮脇は南部諸民族州ホールにおける国家支配・開発と精霊憑依の関係について、報告を行った。増田は、南部諸民族州バンナにおけるキリスト教化と開発の現状について報告した。松村はオロミア州ジンマ周辺におけるプランテーション開発による多民族共中地域の形成と宗教間対立について報告を行った。これらの研究は、国家支配下における開発とそれによる社会変動の実態、またそれに宗教がどのような役割を果たしているのかを明らかにするという意味で、本研究のテーマに新たな視点を加えるものといえる。 3月3日の研究会では、田川はオロミア州ボラナにおける伝統的年齢階梯体系ガダの国家支配下における変容とその新たな政治的機能について報告した。藤本は南部諸民族州マロにおける邪視信仰が、開発と近代化のなかでどのように変容しているのかについて報告した。研究協力者の垣見はオロミア州ナザレットにおける精霊憑依儀礼と政府による制度化、観光化について報告を行った。研究協力者の上村はアムハラ州における有害な慣習の廃絶についての知識の伝達にかかわる保険普及員の役割についての報告を行った。研究協力者の吉田は、南部諸民族州カファにおける国家支配とキリスト教系NGOの影響のもとで、この地域の支配民族カファと被支配集団マンジョ間の関係の変容について報告を行った。研究協力者の松波は、オロミア州ナザレットにおける開発と巡礼の変容について報告を行った。これらの研究は、いずれも国家支配と開発、およびそのもとでの人々のアイデンティティの変容にかかわるもので、当初の研究目的を達成している。
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