研究課題/領域番号 |
20401048
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
奥野 克巳 桜美林大学, 人文学系, 教授 (50311246)
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研究分担者 |
シンジルト 熊本大学, 文学部, 准教授 (00361858)
田川 玄 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (70364106)
花渕 馨也 北海道医療大学, 大学教育開発センター, 准教授 (50323910)
西本 太 京都大学, 東南アジア研究所, 研究員 (60442539)
池田 光穂 大阪大学, コミュニケーションデザインセンター, 教授 (40211718)
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キーワード | 人間と動物 / 民族誌 / 人類学 / フィールドワーク |
研究概要 |
2008年6月28日(土)〜29日(日)にかけて、研究集会を開いた。29日には、当該研究領域に関する先行研究を整理・概観し(西本による)、今後の研究の方向性について討議した。 奥野は、マレーシア・サラワク州の狩猟民プナン人の人間と動物の関わりについて調査を行い、プナンが動物を含む「自然」にどのように向き合っているのかについて、さらなる追究が必要であることを見出した。池田は、グアテマラのマヤ系先住民マム人を対象として、家畜の利用と生態環境の現状、および現地の人たちの世界観・環境観などについて聞き取り調査を行った。西本は、ラオスの農耕民カントゥの調査を行い、水牛の飼養、儀礼や婚資における水牛の扱い方のデータを収集し、水牛を人と自然の相互作用環に位置づけるために、環境利用のさらなる調査が必要という認識を得た(以上、夏季休暇中の海外調査)。シンジルトは、中国アムド・チベット地域に位置し、移動放牧から定住放牧へと生業変化を経験しつつある河南蒙旗モンゴル族地域とその周辺の地域で調査を行ない、主に「ツェタル」(日本語の「放生」に近い)という慣習に焦点を当て、人間と動物(羊やヤクなどの家畜)との関係の動態を考察するための基礎データを収集した。田川は、牧畜を主生業とするエチオピアからケニアに居住するボラナを取り上げて、主にウマをめぐる慣習を調査し、ウシやヤギ、ヒツジといった生業と関わる家畜とは異なる人との関係性を見出した。吉田は、現地調査をつうじて、ニューギニア高地のアンガティーヤ社会における人と動物との関係のあり方を、人対動物といった二項対立的な枠組みでは捉えきれないことに気づいた(以上、春期休暇中の海外調査)。花渕は、アフリカの動物譚に関する文献調査研究を実施した。
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