研究課題/領域番号 |
20401048
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
奥野 克巳 桜美林大学, 人文学系, 教授 (50311246)
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研究分担者 |
シンジルト 熊本大学, 文学部, 准教授 (00361858)
田川 玄 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (70364106)
花渕 馨也 北海道医療大学, 大学教育開発センター, 准教授 (50323910)
西本 太 桜美林大学, 総合地球環境学研究所, 研究員 (60442539)
池田 光穗 大阪大学, コミュニケーションデザインセンター, 教授 (40211718)
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キーワード | 人間と動物 / 民族誌 / 人類学 / フィールドワーク |
研究概要 |
奥野は、夏と春の2回、マレーシア・サラワク州のプナン人の居住地で現地調査を実施し、そこでは、人間と動物の関係が非連続的なものではなくて、連続性の位相のもとに捉えられていることを把握した。シンジルトは、夏季休暇を利用して、チベット地域で調査を行ない、仏教の教義に基づてと考えられてきたツェタル(日本語の「放生」に近い)現象をめぐる僧侶や牧畜民の論理や解釈を整理し、日常生活におけるツェタル家畜の扱われ方の調査研究を行った。田川は、2009年8月から9月にかけて、約一ヶ月間エチオピア南部ボラナ地区で現地調査を行い、近年の牧畜形態の変化とウシとラクダの中東への輸出プロセスを調査し、ボラナ地区が家畜を通してグローバル市場と結びついている様態を明らかにした。花渕は、これまでのコモロでの現地調査資料に基づき精霊憑依と動物表象との関係について研究を進めた。また、2010年1月23日(土)~24日(日)にかけて、札幌において、日本と海外における動物供犠の比較文化に関する共同研究会を企画した。吉田は、2009年年11月から2010年1月までと2010年2月の2回にわたって、パプアニューギニア・モロベ州のアンガティーヤの人々のもとで現地調査を実施し、野生動物の狩猟が蛋白質摂取のために商品への依存度が高まった現在においても重要な位置を占め、狩猟における身体的経験や知識が、男性のジェンダー構築のうえで重要な役割をはたしていることを把握した。西本は国際人類学会議(2009年年7月中国昆明)で研究成果の一部を発表するとともに、ラオスのカントゥ社会での聞き取り調査を通して、人々の環境認識とそこにおける動物の位置付けに関するデータを収集した。池田は、グアテマラとメキシコ・チアパスにおいて、生物資源としての動植物の利用について大学研究機関やNGOの役割について聞き取りをおこなった。本研究に関連づけて、エール大学での医療人類学50周年記念大会に参加した。
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