研究課題
奥野は、マレーシア・サラワク州ブラガ川のブナンの共同体で人と動物をめぐる調査研究を行うとともに、同州ジュラロン川流域のブナンの共同体で比較調査を行った。シンジルトは、アムド牧畜地域とラブラン寺で、人間と家畜の関係を表すツェタル(放生)現象を中心に聞き取り調査と文献収集を行なった。調査で得たデータは、牧畜民のツェタル認識や僧侶のツェタル解釈を解析するのに重要であり、本科研の深化にも寄与するものとなろう。田川は、南部エチオピアの牧畜民ボラナにおいて、家畜、特にウシとウマの命名についての調査を行い、ボラナ社会に特徴的な人と家畜の同一化のあり方が明らかになった。花渕は、コモロ諸島・グランドコモロ島において調査を実施し、牛の牧畜、闘牛祭りや牛にまつわる信仰など、牛と人間の関係について聞き取り調査を行った。西本は、ラオス南部の山地民族村落で、スイギュウ儀礼を観察するとともに、スイギュウの殺し方について聞き取りした。この調査により、家畜におけるスイギュウ独自の位置付けに関して理解を深めることができた。池里は、チアパス州ナヴァロム博物館図書館(メキシコ)および西部資料センター(グアテマラ・ウェウェテナンゴ県)にて、動物と精霊のトリックスター的性格から(神話上の始祖としての)人間とそれらのあいだの駆け引きについて資料収集し、構造論的な議論を踏まえた分析を試みた。研究協力者の吉田は、パプアニューギニア・アンガティーヤ社会における狩の経験譚を蒐集し、動物との相互作用(狩)を通じて人々が身体的に経験する自己変容の内実を理解する端緒を得た。これによりコスモロジーのなかで動物が占める位置の、より立体的な理解が可能になった。
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中国21
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