研究課題/領域番号 |
20402002
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
北川 秀樹 龍谷大学, 法学部, 教授 (60360252)
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研究分担者 |
森 晶寿 京都大学, 大学院・地球環境学堂, 准教授 (30293814)
小長谷 有紀 国立民族学博物館, 人文社会・教育科学系, 教授 (30188750)
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キーワード | 環境政策 / 中国地方政府 / 法執行 / 環境ガバナンス |
研究概要 |
中国の地方政府の法・政策の執行をテーマとした研究会を9月に西安と北京で開催した。また、2月にも上海と西安で同じテーマの下に研究会を開催した。これらには中国側の環境法・政策の研究者の参加を得た。このほか、北京大学の法学および環境史を専攻する中国側研究協力者と意見交換した。昨年来の金融危機により、環境法政策の執行面への影響が懸念されたが、総じて中国側研究者からは中国政府の内需主導政策により環境投資の促進が期待されるとの主張が聞かれた。 さらに中国側研究協力者の協力も得て、以下の現地調査を実施した。いずれの地域においても現地環境保護局の担当者との意見交換も行った。 ・陝西省渭南市富平県セメント工場(9月) ・内蒙古自治区赤嶺市巴林右旗生態移民実施地域および乾燥地植樹地域(9月) ・内蒙古自治区赤嶺市銅精錬工場(9月)ばい煙による被害を訴える現地住民と面談した。 上記研究会、現地調査を通じて、法・政策の整備や技術面の改良は進みつつあるが、企業が地方政府と一体となって経済発展を志向し、情報公開に積極的でない場合には、深刻な環境汚染被害の発生の可能性があることを認識した。また、経済状況悪化と中央政府の環境問題重視の政策の中で、特に、外国人による南部地域における調査に地方政府が敏感になっているとの懸念がある。 今後の展開として、中国南部地域における現地調査、地方政府の環境部門担当者および公衆の意識調査および主として環境汚染と開発にカテゴリーを絞ってのワークショップの開催を企画する。特に、日本との比較による中国の環境法・政策執行の特質と課題について日本と中国の実務者を交えて集中的に意見交換する。
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