| 研究課題/領域番号 |
20402005
|
|---|
| 研究機関 | 聖心女子大学 |
|---|
研究代表者 |
|
|---|
| キーワード | ネパール / 持続可能なコミュニティ指標 / コミュニティのネットワーキング / NGO / 経済発展 / 環境教育 / 循環型発展社会 / 環境問題 |
|---|
| 研究概要 |
本研究では、聖心女子大学、東京都市大、ナショナルカレッジ(カトマンズ)、プラバット中学校(ラリトプール)間の協力により、ネパールにおける現地調査とデータ収集を継続的に行い、下記のような研究活動を実施している。
(1)ネパールの地域を対象とした持続可能なコミュニティ指標の開発を行った。ネパールの地域住民やNGOなどの様々な立場からの意見も収集し、99の持続可能なコミュニティ指標のリストを作成した。
(2)ネパールのチタワン地区にある2つのコミュニティを対象とし、2年間に渡り実地調査を行った。地域に適した指標を明らかにすること、持続可能なコミュニティに関する意識を向上させることを本調査の目的としており、その結果を統計的に分析し、重要指標を明らかにした。
(3)調査対象コミュニティ内にある小学生に対し、環境問題と生活習慣に焦点を当てた試行的環境教育プログラムを2年間に渡り実施した。生活習慣と身近な環境問題の因果関係に関する理解を深めること、学校とコミュニティの繋がりを発展させることを目的としたプログラムを開発・実施し、評価を行った。
(4)社会における女性の役割を明らかにするため、NGOや地域のリサイクル事業とのネットワークを利用するゴミ処理管理における女性のリーダーシップのデータ収集を行った。更に、女性事業とネットワーキングにおける調査も実施された。以上の研究活動を通じて得られた成果やデータの分析結果については、すでにいくつかの論文、国際会議等にて発表済みである。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度の調査により、2009,2010年度に実施した99の持続可能指標(Sustainable Community Indicators)を明らかにした。本研究が当初掲げたネットワーキングに基づく循環型システムの構築モデルを提案するという点については、毎年のネパール現地における調査や研究活動を通じ、順調に調査が進行している。これまでに、ネパールの地域コミュニティにおける重要なステークホルダーを明らかにし、それらの個別目的や意義を調査したうえで、相互の関係構築を行った。また、99の持続可能なコミュニティ指標のインデックスを提示し、ネパール現地における重要度をフィールド調査により分析している。さらには、女性のリーダーシップに関する現地調査やカトマンズ市の河川水質調査を実施するなど、少なくとも現時点までは当初の想定以上の成果が得られている。
|
| 今後の研究の推進方策 |
持続可能指標(sustainable community indicators)に関する研究を発展させるため、持続可能指標を活用しているコミュニティの調査を行い、コミュニティ内の核となる組織やステークホルダー間の重要な関係を同定することを目指す。コミュニティ内の環境活動や環境事業について調査を実施し、資源の持続的管理のための技術支援の方法について検討を行う。また、女性の事業やネットワーキングを含むコミュニティのビジネスプランについても調査を実施する。持続可能な発展に向けた小学校レベルでの教育カリキュラムについて評価を行うと共に、児童を対象とした将来的な持続可能社会のための協調学習と実践的学習の教育プログラムをデザインする。
|
