研究課題/領域番号 |
20402008
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鮎京 正訓 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40126826)
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研究分担者 |
宇田川 幸則 名古屋大学, 法政国際教育協力研究センター, 准教授 (80298835)
姜 東局 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (80402387)
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キーワード | 郷約 / 比較法 / 法治 / 法改革 / 法治 / 法改革 / 伝統法 |
研究概要 |
「郷約(きょうやく。村のおきて)」とは、中国に起源をもち、朝鮮半島、ベトナムに伝播した、村落共同体における冠婚葬祭、近隣紛争、軽微な犯罪の処罰などに関する成文化された規範を指します。本研究は、1980年代末以降のベトナムにおける郷約(きょうやく。村のおきて)の復活という現象に注目し、それを、それを、東アジア、特に中国と韓国との比較によって、法治と村のおきて(郷約)という二元化状況を視野の中心に据え、アジアにおける伝統法の再生のプロセスを明らかにすることを目標とします。そしてこれらの視点からの郷約研究は、現代の国家法との関係のなかに郷約を位置づけることにより、国家制定法の意義の確定にも寄与し、また、近代化し変容するアジアの社会の安定において、郷約などの伝統法と、国家制定法である近代法とが補完的機能を果たすことを明らかにするという学問的位置づけを持っていると考えます。 平成20年度は、郷約の比較法的研究に関する技術的および理論的方法論の確立に関する研究を行い、理論的な方法論としては、国家法と郷約の相互関係を明らかにする研究を行いました。そして郷約の収集を中国、韓国、ベトナムの研究協力機関に委託するための準備を行うとともに、2008年11月20日から22日にかけて韓国ソウル大学・全北大学でのワークショップを開催し、韓国の研究者との共同研究を行いました。とくに、これらのワークショップにおいては、韓国における郷約の歴史的性格を明らかにし、また、韓国郷約の関連資料の収集を行いました。
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