1.計画に基づいて、主に下記の機関で実地調査を実行した。(1)山西省档案館、(2)太原市档案館、(3)中央研究院近代史研究所図書館、(4)国史館、(5)大連市档案館、(6)大連市図書館、(7)遼寧省档案館、(8)遼寧省図書館、(9)山東省档案館、(10)淫博市档案館、(11)青島市档案館、(12)雲南省档案館、(13)昆明市档案館、(14)海南省档案館、(15)広東省立中山図書館、(16)貴州省档案館、(17)貴州省図書館、(18)和平村(国民党支配地域の日本軍捕虜収容所)、(19)鎮遠県档案館、(20)延安地区の中国革命記念施設と日本労農学校遺跡等、(20)甘粛省档案館、(20)甘粛省図書館、(20)天水市档案館。 2.上記の各調査により、次の諸問題について貴重な資料を獲得し、実態を究明するための基礎を築いた。(1)日本軍の山西「残留」。(2)中国共産党による太原接収。(3)終戦時大連、藩陽の日本人社会。(4)大連、藩陽当局の日本人政策。(5)中国共産党の軍需工業における日本人の貢献。(6)山東省における日本人留用者の日常生活。(7)青島市の日本人徴用と日本人収容所の運営。(8)海南島における日本人の留用と戦犯の裁判。(9)国共両党の日本人捕虜処遇方針の異同と戦後の留用への影響。(10)新中国の鉄道建設における日本人の役割と現在の評価。 3.論文発表の面では、「13」欄に記入したとおり、5件の学術論文を公表したほか、さらに2件の論文と1件の辞典項目(留用者)も査読を経て採用され、出版への編集作業に入っている。また、国際シンポジウムで基調報告1回、研究発表2回を行い、雲南大学と京都大学での学術講演も行った。いずれも肯定的な評価を受けた。 4.研究成果の社会への発信に尽力した。(1)講義や講座等で研究成果を取り入れた。(2)海外の学者を招いてワークショップを2回開催した。(3)実地調査と同時に、各地の大学や関係機構を訪問し、学者および一般市民との交流を深め、研究成果を紹介した。(4)岡山放送協会の取材を受け、日本人留用に関する番組の制作に協力した。
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