研究課題
基盤研究(B)
本研究では、国連のミレニアム開発目標達成に取り組むインドにおいて、貧困削減に有効な政策をフィールド実験を用いて分析する。具体的には下記について研究する。(1)マイクロ保険研究本研究では、複数の仮説を検証するために、Karlan and Zinman(2007)の消費者金融フィールド実験を応用した実験を行う。保険販売後に保険を無料にすること、保険販売後に利用に応じた次回割引を適用すること、保険の無料提供、などを組み合わせることで、モラル・ハザード、逆選択の影響を計測する。さらに、貧困層の保険購入意欲が低いことを説明する要因として、リスク選好、現在バイアスなどをくじのフィールド実験を通じて計測する。これらの情報を用いて、貧困層の保険購入意志決定を解明する。(2)マイクロクレジット研究本研究では、貸付に効果があるか、返済頻度が高いことが返済率を高めているか、検討する。インドのマイクロファイナンス機関と提携して、貸付のフィールド実験、返済頻度変更のフィールド実験を実施して、その効果を確かめる。(3)農村医療研究本研究は、農村部の一次医療に関わる基礎的な情報を収集し、インド農村部に欠落している貧困層医療支出に関する包括的なデータベースを構築する。この情報を用いながら、貧困層の医療サービスへの需要を推定し、医療保険、医薬品、医療サービスの望ましい組み合わせを提起する。
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Developing Economies Vol.48, No.1
ページ: 74-101