研究課題/領域番号 |
20402031
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
村松 潤一 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (30182132)
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研究分担者 |
井上 善海 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (00310003)
盧 濤 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (80289652)
原口 恭彦 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 准教授 (20343452)
奥居 正樹 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 准教授 (20363260)
加藤 厚海 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 准教授 (10388712)
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キーワード | 経営学 / 産業集積 / ネットワーク / 人的資源管理 / 異文化コミュニケーション / サフライヤー |
研究概要 |
研究課題に対する本格的な調査の年度である21年度は、研究計画書に基づき、各グループ毎の調査を繰り返した。調査時期は、9月、11月、12月、3月であり、調査地域は、大連、西安、上海、広州、深センにまで及んだ。また、業種としては、電機、情報、自動車、家電が調査対象となった。なお、調査件数は、延べ15社であった。主な調査結果を挙げれば以下のようになる。まず、大連の電機業界に対する調査では、日系電機メーカーとそのサプライヤーにおいて部品の標準化が進んでいるにも関わらず、日系サプライヤーとの取引が継続されているが、その原因としては、部品の材料・素材に対する品質維持の観点から、そうせざるを得ないということが明らかとなった。また、日系企業間における顧客とサプライヤーの関係は対等であるが、それ以外においては、必ずしも対等関係にはなく、その結果、情報交換・改善提案については、日系企業間の方が円滑に進んでいることも明らかとなった。したがって、日系サプライヤーにとって現地企業を顧客とすることの困難性は、現段階においては、認めざるを得ない状況にあることが判明した。また、広州における日系家雷メーカーに対する調査では、出資比率の変更に伴って現地化していくプロセスをモデル化して把握することができたのも大きな成果であった。さらに、広州、深センでは、自動車ディーラーの集積ともいえる自動車交易市場に対する調査も行われ、4S店による集積効果の実態が明らかとなった。なお、3月には、産業集積の形成と発展に大きな影響を与える「モノづくり」をサービス・イノベーションという新しい視点から取り上げ、シンポジウムを開催するとともに、「モノづくり」の今後の動向と課題について議論した。なお、研究成果は、雑誌論文11本、学会発表5件として纏められた。
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