研究課題/領域番号 |
20402032
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高橋 淑郎 日本大学, 商学部, 教授 (00211342)
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研究分担者 |
劉 慕和 日本大学, 商学部, 准教授 (90349952)
小出 大介 東京大学, 医学部附属病院, 客員准教授 (50313143)
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キーワード | BSC / Sustainable BSC / 医療政策 / ヘルス・リテラシー / 地域社会とBSC |
研究概要 |
最終年度は、4年計画の研究の中で、研究成果のまとめの準備およびそのプロセスから見えてきたいくつかの補足のための海外・国内調査を行った。大きな柱は2つあり、一つ目は、現地の研究協力者やその研究仲間の支援による、現地での補足調査であり、もう一つの柱は、研究成果の検討と成果発表の準備である。 今年は、昨年までの成果を個々の研究協力者や研究分担者によって、論文や学会発表につなげていった。例えば、昨年行ったカナダのオンタリオ州で、トロント、オタワを中心に、Brownのアレンジで、インタビューと調査票回答依頼等を行なったが、特にインタビューでは、病院のCEO以外の方々で、医療関係機関で必ずインタビューすべき人、例えば、BSCでKaplanらの書籍の事例に度々登場するCanadian Blood ServiceのCEOのグラハム・シャー等のインタビューを行うことができたので、ケース分析という格好で、要約版として、病院関係者に論文として公表した。さらに、補足の調査として、台湾健康産業BSC学会の陳進堂会長や台湾大学の楊銘欽准教授らの支援で、台湾の病院で追加の病院インタビューと調査票をお願いした。特に、昨年、我々が大変興味を持った台北の馬皆病院での自殺予防プログラムでのBSC利用に関する事例報告は、世界で初めての利用と成果であり、今年度も再度訪問し、その研究と実行のプロセスを調査し、議論してきた。現在、先方の自殺予防プログラムのBSC担当者である医師を主として論文を作成している。そこの大きな障害は、病院全体のBSCとの整合性であり、特に、その部分の研究を進めている。 本研究での主要キーワードである、医療政策、医療リテラシー、地域社会でのBSCを考えるあたり、現在、調査票を分析し、それをインタビュー調査で補いながら、論文を各自がまとめている。24年度中に、さらに6本以上の論文を公表する予定である。特に、リテラシーの部分は、日本や台湾ではあまり考慮されてきたことはなく、主にカナダやアメリカでBSCで考えられていることは、多くはないが検証することができたので、そこから新しい知見を見出す努力をしている。
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