研究課題
本研究は、日本における電子商取引の普及過程から得られた成長モデルを、電子商取引が発展段階にある国に応用し、電子商取引の成長決定要因を明らかにすることを目的とする。本研究はインターネットの発展が著しいタイ王国を調査対象国としてとりあげる。研究手法として、日本とタイ王国において電子商取引の利用者を対象とした社会調査を行い、電子商取引の利便性とリスクの相関を二国間比較が可能な形で明らかにする。そして、日本との比較において、発展段階の国における電子商取引の成長モデルを明らかにする。平成20年度は、比較の基礎となる日本における電子商取引の利用者モデルを明らかにするため、ウェブ調査サービスを用いて日本人の成人サンプルを対象に実験調査を行った。事前登録パネル75000名に対し事前調査を行い、21513名から有効回答を得た。そして、(1)過去のオンライン商取引経験、(2)食料品のオンライン商取引における主要な消費価値観、(3)基本的な社会的属性の情報を用いて、実験調査の対象者を抽出した。本調査の結果、先行購買者との主要消費価値類似性は、オンライン商取引サイトに対する信頼を醸成することで間接的に購買意図を高める。また、先行購買者との属性の類似性は、オンライン商取引サイトに対する信頼に媒介されることなく、直接的に購買意図を高めることが明らかとなった。今後はタイ王国の利用者を対象として、比較調査を行う計画である。
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International Journal of Electronic Customer Relationship Management Vol. 2, No. 1
ページ: 16-33
Communications in Computer and Information Science 23
ページ: 98-109