研究概要 |
本研究は、日本とタイ王国において電子商取引の利用者を対象とした社会調査を実施し、電子商取引の利便性とリスクの相関を二国間比較が可能な形で明らかにしようとする。 平成21年度は、タイ王国における電子商取引の利用者モデルを明らかにするため、タイ語版のアンケート調査票を作成した。アンケート調査票は、一般的な行動様式を問うための前半部分と、電子商取引に対する利用動向を問うための後半部分から構成される。後半部分の冒頭には実際のホテル予約サイトのイメージを示すモックサイトを置き、あたかも実際に電子商取引を利用するような意識で回答が得られるよう設計した。 平成21年の11月以降には、チュラロンコーン大学の学部生を対象に教室アンケートを実施した。Department of Mathematics, Faculty of Scienceをはじめとする複数の学部・学科で一回あたり150サンプルずつアンケート調査を実施し、累計では450サンプルを収集した。収集したサンプルは日本で分析し、これまでに単純集計が完了している。さらに集計データを分析し、タイ王国の電子商取引の利用者動向を明らかにする予定である。 今後は、平成20年度に日本で実施した消費者行動実験をタイ王国で実施し、先行購買者との主要消費価値類似性がオンライン商取引サイトに対する信頼に与える影響についても測定する計画である。これらの調査および実験を通じて、日本およびタイ王国における電子商取引の発展モデルを比較可能な形で明らかにする。
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