| 研究概要 |
企業においては複数の管理会計システムが運用されているが,それらは,環境,経営理念や経営哲学,組織風土および経営戦略などの要因と相互作用の中で機能している。そのため,個々の管理会計システムあるいはその総体からなるトータルシステムとしての管理会計の機能の仕方は同じではない。
本研究は,北米進出日系企業を研究対象として,3年間の研究期間において,上述のような関係性のなかで,管理会計がどのように進化してきたのか,その進化の過程を解明することを目的としている。
上記の研究目的を達成するため,平成21年度も,平成20年度に引き続き,北米に進出している複数の日系企業の複数の子会社について研究代表者がケースリサーチを北米において行った。各企業について,その設立から現在までの管理会計の進化について,研究目的において記述したロジックとの関係性を踏まえて分析するために必要なデータを,インタビュー,内部資料の閲覧および一般に入手可能な資料により収集した。収集した具体的なデータは次のとおりである。
・各企業の経営理念と経営哲学の内容,普及活動など
・各企業の組織風土
・どのような管理会計システムを導入してきたか,また,現在導入しているか
・各システムを導入した当時の環境
・各システムの導入目的とその計算技術的特徴
・各システムの導入プロセス
・各システムおよびトータルシステムとしての管理会計が各社において果たしてきた役割
・各システム間の関係と各システムを運用するプロセス
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