研究概要 |
本科研調査のこれまでの蓄積に基づいて、8月に開催された第20回IAHRにおいて、セッションを設け(タイトルは'Americanization and Post-Americanization of a Japanese New Religion')_報告を行った。秋庭報告は、主に「2段階のアメリカ化」に焦点を当て、川端報告は、組織化の進展プロセスに議論を絞り、稲場報告は、メンバーの回心過程を論じた。(20^<th> World congress of the International Association for History of Religion. Aug. 2010, Toronto, Canada) 実査は、昨年度に引き続き、ロサンゼルスで実施し、本部のアーカイブでSGI-USAの発行した経典類、雑誌、新聞、書籍の調査を継続した。その結果、1960年代の直訳が「文化的(に洗練された)翻訳」に段階的に移行したプロセスを跡づけることが出来た。 またインタビューは、この3年間で約50人ほどに対し「綿密なインタビュー(thick interview)」を実施してきたが、今年度はアメリカ合衆国の多様なエスニシティからなるメンバーをカバーすることをねらって、イスラム系や東欧系のバックグラウンドを有する人々に対して行った。またさらにSGI-USAの草創期と変革期を知るパイオニア・メンバーに対しても実施し、日本型新宗教の「アメリカ化」のプロセスの特徴を探った。
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