研究課題/領域番号 |
20402051
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
広瀬 幸雄 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (10117921)
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研究分担者 |
大沼 進 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (80301860)
野波 寛 関西学院大学, 社会学部, 教授 (50273206)
杉浦 淳吉 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70311719)
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キーワード | 環境計画 / 市民参加 / 手続き的公正 / 国際比較 / 信頼 / 意見の類似性 |
研究概要 |
本年度の研究実績は以下の通りである。 1. 環境計画への市民参加事例の資料収集調査と現地での聴き取り調査の実施 EU特にドイツの環境計画への市民参加事例についての情報を収集した。その中から、計画への賛否が対立する係争的な事例としてノイス市、シュットガルト市、シェリクリンゲン市を取り上げて、現地において行政・専門家・環境団体・利害関係者への聴き取り調査を実施した。その調査結果から、計画のおける市民参加として、2度の市民投票やプランニングセルによる市民参加会議などが実施されて、参加手続きの公正さや行政への信頼にたいして市民の関心が高いノエスの交通計画の事例を社会調査の対象地として選択した。来年度の社会調査のための予備的調査や資料の翻訳・分析を実施した。 2. 参加手続きや信頼が計画の社会的受容に及ぼす効果に関する実験・調査の分析 日本とオランダで実施したシナリオ実験の分析結果より、市民参加会議における意見表明の機会の十分さが手続きの公正さ評価を媒介にして計画の社会的受容に影響を及ぼすとともに、市民参加型会議の参加者と一般市民自身の意見の類似性が参加者への信頼を媒介にして計画の社会的受容に影響することを確認した。さらに日本での社会調査(吉野川可動堰事例)とドイツでの調査(バイエルン州事例)の分析からも、市民参加会議の参加者との意見の類似性と参加手続きの公正さが計画の社会的受容に影響することを確認した。
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