研究課題
今年度は本研究プロジェクトの初年度であり、アジア諸国の大学院教育改革について調査を進めるためのフレームワーク作りに取り掛かるとともに、先進諸国の経験などについてレビューを行なった。そのなかで、とくに日本の経験に焦点をあてた研究が、代表者の北村や分担者の米澤によって進められた。また、分担者の近田は、社会人大学院生を対象とする授業実践をまとめることによって、大学院教育について検証するためのフレームワーク作成の参考になる研究成果をまとめた。これらの、日本の経験を中心とする大学院教育のあり方に関するレビューは、次年度以降においてアジア諸国の大学院教育改革に関する調査を行なううえで、重要な基盤となる。また、アジアのなかでもインドシナ諸国の教育改革についてまとめた著書(代表者の北村が編者を務めた)のなかで、インドシナ諸国を中心に東南アジア諸国の高等教育改革についてもレビューを行なっている。この本のなかでは、東南アジア諸国の高等教育改革に共通してみられる特徴を抽出して、「アジア」的な高等教育改革のあり方について考察を加えているが、この考察も本研究の重要な概念フレームワークとして、次年度以降の事例研究に適用していく予定である。なお、この概念フレームワーク作りにあたっては、国際的に著名な比較教育研究者である米国のウィリアム・カミングス教授との共同研究を展開した。このように、本研究プロジェクトは、国際的な視野をもって、アジア諸国の大学院教育改革について検討を加えることが大きな特徴となっている。
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