初年度以降の研究活動の基盤を強化するためにも「持続可能な開発」及び「持続可能な開発のための教育」についての理論研究を文献調査を中心に進めた。 第一回全体研究会での討議を踏まえ、初年度にユネスコ本部を訪問し、研究の意図や目的をESD及びユネスコ・スクールの担当官に伝えることになり、研究代表者が研究プロジェクトの英文概要を携えて同本部を訪問した。現地では、情報収集も行い、バルト海や西地中海などにおけるASPnetプロジェクトのインターネット上では入手不可能なものも含めて収集できた(Baltic Sea Project 15Years等)。またユネスコ本部での助言に従い、ASPnetでの優良プロジェクトと称されるバルト海プロジェクトに初年度から重点を置くことにし、リトアニアで開催された年次会議に研究協力者がオブザーバー参加することになった。同会議では当研究プロジェクトの説明と共に、トライアル的に質問調査票(英文)も実施した。 今後予定されている各ネットワークの事例調査に備えて、欧州等で実施されているユネスコ・スクールの地域ネットワークの情報を収集し、11のプログラムについて整理し、共有できるようにまとめた。また、東アジアでの学校間ネットワーク構築の可能性を探るための調査については初年度で本格始動はしない予定であったが、気仙沼市(気仙沼ESD/RCE推進委員会・気仙沼市教育委員会)及びユネスコ・アジア文化センターが中国・韓国より専門家及び教育者を招聘して開催した「ESD/ユネスコ・スクール国際フォーラムin Kesennuma2009」に研究協力者が出席し、情報収集に務めた。なお、リトアニアにて試験的に実施した質問紙調査については、当初の予定通りネット上の回答収集も試みたが、予想したよりも回収率は上がらず、今後の課題として残された。
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