本研究の初年度として、eポートフォリオの開発方法や運用方法など、その全体像を把握する必要があったので、本年は、研究目的欄に記載された次の点について、アメリカを中心に調査・研究を行った。 (1)海外において「eポートフォリオ」を教育養成や教員実習に取り入れている先駆的な大学を訪問して、「eポートフォリオ」の開発方法(内容や作成方法)、運用方法、その成果などを調査する。 アメリカにおける教員養成は、学部段階で行う場合と大学院段階で行う場合がある。また、教員として求められる資質や能力などに関しては、州ごとに定められているスタンダード(通常10程度)によって規定されている。その到達度の測定にポートフォリオを活用している大学が多い。今回は多くの情報を得られるように、調査は3度に分けて行った。 調査Iは9月下旬にカリフォルニア大学バークレー校とコロンビア大学を訪問して情報交換を、調査2は2月にコロンビア大学でさらなる資料収集を、そして調査3ではミシガン州立大学とサンディエゴ大学を訪問して情報収集を行った。情報に関しては、いずれも以下のような内容を中心に収集した。 (1)教師に求められる実践的指導能力の要因 (2)eポートフォリオの開発方法(内容や作成手順) (3)eポートフォリオを用いた実践的指導力の評価方法 (4)学生の変容や成果 いずれの大学でも教員養成に携わっている教員と情報交換をし、ポートフォリオに関する資料を収集することができた。 なお、資料は現在整理中であり、21年度には学会等で発表する予定である。
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