本研究の2年度にあたり、海外での先進的な辞令を調査した。具体的には、研究目的欄に記載された次の点について、シンガポールならびにフィンランド、イギリスの調査・研究を行った。 (1) 海外において「eポートフォリオ」を教育養成や教員実習に取り入れている先駆的な大学を訪問して、「eポートフォリオ」の開発方法(内容や作成方法)、運用方法、その成果などを調査する。 実際の調査は5月上旬にシンガポールで唯一教員養成を行っているNIEを、9月と2月にフィンランドのユバスキュラ大学とヘルシンキ大学を、さらに1月にロンドン大学を訪問して情報収集を行った。その内容は以下のようなものが中心である。 (1) 教師に求められる実践的指導能力の要因 (2) eポートフォリオの開発方法(内容や作成手順) (3) eポートフォリオを用いた実践的指導力の評価方法 (4) 学生の変容や成果 いずれの機関においても大学と実習校の間で実に綿密な計画を立て、緊密な連携を取りあって教育実習を行っている。評価についてはいずれも国が設定したスタンダードによって実施されている。その点がわが国との大きな違いである。その際、作成したポートフォリオを活用しているが、形態は必ずしも電子版ではなく、紙媒体の場合もみられた。いずれにせよ質保証の方策について多くの情報が得られた。 なお、資料は現在整理中であり、22年度には学会等で発表する予定である。
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