研究概要 |
平成20年度は、各地域の情報収集に徹したフィールド調査を実施した。AMT廃止前の時点で、県の統計上、特別学校において拡大特別ニーズ教育を受けている生徒の少ない地域、および、フォルケスコーレの通常学校で拡大特別ニーズ教育を受けている生徒の多い地域を対象にしたフィールド調査を実施した。本年度訪問した地域は、旧AMTでいえば、Kobenhavn, Storstrom, Vejle, Ringkjobing, Nordjylland, Roskilde, Bornholm Regions Kommuneの各エリアであった。 本年度の調査から明らかになってきたのは、1)財政状況の悪い地域では、専門的対応を行う機関の整理・縮小が行われていた。言語指導を行うセンターの機能をPPRに吸収したり(Kobenhavn)、複数の小学校を配置する場所はそのままにして組織を統合する(Bornho1m)、などの組織改組が進められていた、2)フォルケスコーレの一部に特別ニーズ教育のセクションを新たに設置して、比較的狭い範囲の周辺地域からの生徒を受け入れる計画を立てている地域(Tarnby Kommune)があったこと、および、3)同一のAMT内でも、もともと特別学校を中心に対応を提供していた地域と、フォルケスコーレでの対応を提供していた地域があるというように、地域内にも多様性が存在していたことが明らかとなった。 また、各市のレベルでの責任が大きくなったことに伴って、総じてPPRの役割と責任が拡大する傾向にあることも明らかとなった。
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