研究概要 |
本研究では、私たちがハワイ大学2.2m望遠鏡用に開発した広視野グリズム分光撮像装置(WFGS2)を用いて星団形成領域でTタウリ型星を大規模に探査することで過去の星形成の様子を明らかにし、赤外線から得られるデータと合わせて星団形成のメカニズムを明らかにすることを目指している。 Serpens分子雲の北部の星団形成領域で既に取得されている赤外線カメラSIRIUSの偏光データの解析を行った結果、星団形成領域全体を貫く砂時計型の磁場構造を発見した。連携研究者の行ったシミュレーションとの比較を行った結果、磁場が継続的な星団形成において重要な役割を果たしている示唆を得たので、その結果を学術雑誌に投稿し受理された(Sugitani et al. 2010, Astrophysical Journal, in press)。また、既に得られているWFGS2の観測データ解析もほぼ終了し、現在は投稿論文を準備中である。 2009年8月には主として星団形成領域IC1396を計4夜のWFGS2観測を行い、この領域の探査を完了させた。また、9月にも星団形成領域CepBの観測を計5夜行った。IC1396では639個のTタウリ型星候補天体を検出したので最終結果を天文学会春季年会でポスター発表を行い、現在は投稿論文を準備している。
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