研究課題/領域番号 |
20403006
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
市來 雅啓 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別教育研究プロジェクト研究員 (80359182)
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研究分担者 |
藤田 清士 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00283862)
小川 康雄 東京工業大学, 火山流体研究センター, 教授 (10334525)
上嶋 誠 東京大学, 地震研究所, 准教授 (70242154)
大森 聡一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特任准教授 (90267469)
山本 伸次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別教育研究プロジェクト研究員 (30467013)
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キーワード | 地球・惑星内部構造 / 地球電磁気 / 地殻・マントル物質 / 地球観測 / 地球変動予測 |
研究概要 |
既存観測点での電場観測の継続は、強風によるケーブル切断により2ヵ月間欠測が生じたが、それ以外は順調に推移し、当初予定の周期10万秒までの変換関数取得は終了した。電場2成分の変換関数の平均は、大陸電気伝導度構造これまで考えられていた値より低いことを示唆している。結果に関しては国内学会で報告した。新規観測点設置では、国立公園内の観測許可取得が紛糾し、年度末の3月下旬に漸く設置許可の通達を受けた。来年度早々に設置を行い、地殻・最上部マントルを既存の2次元電気伝導度構造に固定し、深部マントルの1次元構造を2観測点の同時逆解析により推定する。 オーストラリアの地球磁場形状解析に関しては、アリススプリングスでの過去10年間のデジタルデータのスペクトル解析を行った結果、海洋潮汐に対応する周期のスペクトルが大陸中央にも関わらず認められることが明らかになってきた。共同研究者の一人であるWang博士は1990年前後にオーストラリア全土で均等に5ヵ月間の磁場観測を行ったデータを所持しており、現在このデータを加味して、主成分分析と独立成分分析を用いてオーストラリア全土の磁場変動要因の分析を共同で行っている。これまでの研究では、オーストラリアやニュージーランドの潮汐に対応する磁場変動は、殆んどが電離層大気潮汐起源であり、海洋ダイナモに伴う変動は小さいと考えられてきた。しかし、長期間のデジタルデータを解析することで、これらの事実が覆りつつあり、本プロジェクトで予想外の新たな知見が得られつつある。 昨年度の研究で得られた熱力学計算と室内実験から推定された電気伝導度構造結果の論文化と本研究成果啓蒙の為のホームページの構築は予定を達成できなかった。前者の代わりに昨年度に引き続き国内学会での発表を行った。又、本プロジェクトに関連し、グローバルに電気伝導度構造を概観する等で複数の査読付論文を上梓した。
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