研究課題/領域番号 |
20403010
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三澤 浩昭 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90219618)
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研究分担者 |
岡野 章一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10004483)
土屋 史紀 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10302077)
野澤 宏大 鹿児島工業高等専門学校, 一般教育科理系, 准教授 (60398914)
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キーワード | 水星 / 外圏大気 / 光学観測 / 大気放出機構 / モデリング |
研究概要 |
水星には、大気密度が極めて希薄なため惑星表面が外圏圏界面となる大気(外圏大気)が存在する。この外圏大気の起源として、高温の水星表面からの大気粒子の光脱離や熱脱離、惑星間微粒子や太陽風粒子の惑星表面への衝突による蒸散やスパッタリングが想定されている。更に、これらの過程の進行に伴う惑星表面大気源粒子の不均一性や、衝突粒子の不均一降下が大気放出を変調させていると考えられる。本研究は、水星の外圏大気の生成起源を実証的に解き明かすことを目的にする。このため、未だ情報が限られている水星外圏大気の空間分布および速度分布及びそれらの時間変動特性を、様々な水星-太陽間距離及び水星の視位置条件に対して、大気シーイング条件に優れた光学観測適地での高精度観測により詳細に調査する。更に、これらの観測結果と大気生成に関する数値シミュレーション計算結果とを比較・検討することにより、大気起源の探査・究明を行ってゆく。 研究最終年度の本年度は、光学観測適地であるハワイ・マウイおよびオーストラリア・アリススプリングスの光学観測サイトで水星ナトリウム外圏大気発光の高分散観測を試みた。また、太陽風・磁気圏粒子の水星表面衝突による影響の評価のため、計算機シミュレーション研究による粒子降下域の情報収集を継続実施するとともに、本研究グループで開発した大気の静的分布特性を解析する数値計算コードを用いて粒子降下による大気生成の評価を実施した。以上の成果の一部は国内外の学会・研究会で発表を行った。尚、本研究に関わるハワイの光学観測装置は今年度も惑星・衛星大気観測一般にも供され、木星イオ衛星や土星エンケラドス衛星の外圏大気の観測においても、その生成起源探究に国際的な成果を上げた。
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