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2011 年度 実績報告書

モンゴル-オホーツク海は存在したか? -ユーラシア大陸形成論に関して-

研究課題

研究課題/領域番号 20403013
研究機関名古屋大学

研究代表者

束田 和弘  名古屋大学, 博物館, 准教授 (80303600)

研究分担者 足立 守  名古屋大学, 博物館, 教授 (10113094)
吉田 英一  名古屋大学, 博物館, 教授 (30324403)
大藤 茂  富山大学, 大学院・理工学研究部, 教授 (60194221)
キーワードモンゴル-オホーツク海 / 石炭系砕屑岩層 / アルタンオボー層 / アリゴッチ層 / 付加体
研究概要

ウランバートル地域に分布する砕屑岩は,下位よりアルタンオボー層とオリゴッチ層に区分され,"石炭系整然層"と位置づけられている.しかし詳細な岩相・層序については不明な点が多く,時代についても"Viseanの腕足類化石を産する"という記述があるものの化石の記載等はなく,時代考証に疑義があった.またこの"石炭系整然層"は,周囲の付加体(ゴルヒ層)と断層関係にあるとされているが,実際の関係は明らかにされていない.
本年はウランバートル地域の砕屑岩の層序,構造,および周囲の付加体との関係について,詳細な踏査を実施した.その結果,この砕屑岩層は「砂岩泥岩互層・泥岩主体層」と「塊状砂岩主体層」に区分されることが明らかとなり,従来公表されている地質図とは分布が全く異なることが明らかとなった.また,本砕屑岩層はデボン紀放散虫チャートをしばしば挟在し,また岩相上もその南方に分布するゴルヒ層との相違が認められないため,"石炭系整然層"よりも,付加体構成要素として扱うのが妥当である.また今回の調査において,この砕屑岩層よりスピリファー類など石炭紀を示す腕足類化石を多数得た.
本地域の砕屑岩層は,従来考えられていたような北東方向の軸を持つ単一の正立背斜構造ではなく,波長数十m~数百mのほぼ東西性の軸を持つ南フェルゲンツの褶曲が複数発達することが明らかとなった.また今回の調査によって,従来記載されていないtop-to-the southセンスの脆性破砕帯や延性剪断帯を見いだした.この運動については,変形が三畳紀のボグトハーンウウル花崗岩に及んでいないことより,少なくともそれ以前の運動であると推測される.この運動はモンゴルの構造発達史,ひいてはモンゴルの鉱床成因論を考える上で重要な知見であると思われ,今後,モンゴルにおいて岩相・層序学的研究に加え,構造地質学的研究の進展がぜひ必要である.

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公開日: 2013-06-26  

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