研究課題
基盤研究(B)
ユーラシア大陸は、大小様々の数10の小大陸が集合して形成された“超大陸"であり、東アジアでは5ないし6つの大陸ブロック(過去の小大陸)が識別されている。従来、中・古生代において、シベリアと北中国の間には大洋が存在したと推定されており、その大洋("モンゴル-オホーツク海")の閉鎖プロセスは、ユーラシア大陸形成論上、極めて重要である。しかし、一方、シベリアと北中国の間の地域の調査は極めて不十分であり、"モンゴル-オホーツク海"の存在を示唆する地質学的証拠はこれまで発見されていなかった。大洋が縮小・閉鎖する際には、大陸縁において海洋プレートが大陸の下に沈み込み、その痕跡は付加体として残される。したがって、"モンゴル-オホーツク海"の存在を立証する上では、「シベリアと北中国の間に付加体が存在するのかどうか?」が一つの鍵となる。申請者らはこれまで、上記の観点よりモンゴル中央部のハンガイ-ヘンテイ帯の調査を行ってきた。同帯は従来、デボン~石炭紀の浅海成陸棚層と考えられていたが、調査の結果、「ハンガイ-ヘンテイ帯の少なくとも一部は付加体である」ことが明らかとなり、現在、"モンゴル-オホーツク海"の存在が立証されつつある。また申請者らの予察的研究によると、ハンガイ-ヘンテイ帯に分布する玄武岩の化学組成は、この"モンゴル-オホーツク海"がスーパープリューム活動によって形成された可能性を強く示唆する。このことは、"モンゴル-オホーツク海"成因論に関してだけではなく、古生代における全地球テクトニクスを考える上でも極めて重要である。本研究では、これまでの研究をさらに進め、"モンゴル-オホーツク海"の実体と、その形成-閉鎖史の解明を目指す。
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Journal of Asian Earth Sciences 34
ページ: 209-225
Mongolian Geoscientist no.35
ページ: 51-56
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